【東京】「生きることの尊さや、許す心に未来がある、と伝えていきたい」…苦難越え「世界一幸せ」、ハンセン病語り部・平沢さんが米寿 [転載禁止]©2ch.net

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　ハンセン病回復者で、国立ハンセン病資料館（東京都東村山市）で語り部として活動する平沢保治（やすじ）さんが十七日、米寿
（八十八歳）の誕生日を迎える。十四歳で家族と引き離され療養所に入所させられるなど、数え切れない苦しみがあったが、平沢さんは
「今、世界一幸せ」とほほ笑む。　（石原真樹）

　「八十八年間、人間として、一つ一つ苦しい壁を乗り越えてきた自分の生き方に満足しています」

　平沢さんは病気を発症し、一九四一年に多磨全生園（東村山市）に入所した。病気療養のための入所にもかかわらず園内で働かされたり、
五〇年に入所者の範子さん（８６）と結婚の際は、断種（不妊手術）を強制されて子どもを持てなかった。最愛の母の死に立ち会うことも
許されなかった。

　それでも前を向き、らい（ハンセン病）予防法の廃止や資料館の設立、障害者の権利のために取り組んできた。「生きる尊さを伝えたい」と、
資料館や地域の小中学校などで語り部活動を続け、資料館だけでも年間七十回近くをこなす。

　「次から次へと仕事を自分で増やしちゃう」と笑う平沢さん。二〇一八年度から教科化される見通しの、道徳の教科書にハンセン病を
取り上げるよう文部科学省に働き掛けたり、いずれ入所者がいなくなる全国の療養所をハンセン病を伝える場所として残すため、各地に
資料館を整備するよう訴えたりしてきた。

　「生きている間は声を上げられるが、私たちがいなくなったらどうなるかわからない。みなさんに一緒に考えてほしい」

　今月三日には、母校の茨城県古河市の古河第二小学校に招かれ、児童が誕生日ケーキのろうそくに仮装して祝ってくれたり、歌を
プレゼントしてくれた。十五日に資料館で講話をした際は子どもたちから花束が贈られた。子どもたちと会うことがエネルギーの源だ。

　新年度もすでに四十校ほど語り部の申し込みがあり、予定がぎっしりだ。「これまで何万人という子どもたちが自分の生き方に目を
向けてくれた。これからも、生きることの尊さや、恨みを恨みで返さずに、許す心に未来がある、と伝えていきたい」

ソース（東京新聞）　http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015031602000219.html
写真＝講話を終え、子どもたちから誕生日祝いの花束を受け取る平沢保治さん（右）＝１５日、東京都東村山市で（北村彰撮影）
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2015031602100121_size0.jpg